信じられない
真綿では首をしめられているようだ
だが真綿ごときにわたしがふりほどけないわけがない
わたしは真綿があると認識しつつ、離れがたいのだ
離れがたいのにも理由がある
これは罪だと感じてしまうからだ
感じてしまうからこのようにしめられつづけている

罪とはなんだ?
わたしは最近他者と自己の違いを考えるのが面倒になってきた
殺されて当然だという人間もいる
殺したくてたまらないという、部類もまずは畜生を殺した
その一歩は大事である
轢かれてもしなない。
轢かれたら面倒な書類仕事とお金があって、それで死んだとしても5ヶ月もしたらあーそうだったとなるわけだ
他人を軽視している
モブも理解してしまってから

彼の指先を切った
血を見たかった
本当は彼の中身を見たい
しかしわたしも馬鹿じゃないので心臓なんぞに心があるとは思わない
わたしは証拠がほしい
誰にも見せられないもの、でもわたしには見せてもいいよという部分
痛みは与えない
血が綺麗だと思ってしまった
彼は生きている
性的欲求がぶくぶくと泡立ち、背中がぞくぞくした
それも、わたしが出すようなどすぐろいものではない
鮮血だった!
鮮血ほど美しいものはない
これは残念だがわたしは痛いことが本当に嫌いで泣いてしまう
そういった点で相手に甘えてしまう
血をできれば吸う
味わう
香る
おそらく興奮する
噛む
ひっかく
痛がる表情が好きだ
わたしは他人に影響を与えたい
与えて死にたい
痛いというのは根源的なもので、他者にされれば許されないものだ
しかし許してくれる

血は思ったより鉄の香りはしなかったし味もたいしたことなかった
床に落ちた彼と私の指先から流れ落ちる血はきっとしばらく忘れない
苦痛に歪む彼の顔も

歪んでいていい
わたしはわたしだから