廊下を誰かが歩いてるとする
必ずわたしに用があるようなときにしかわたしの部屋の扉はノックされないし不躾に開けられることもない
わかっているのに期待する
誰でもいいから扉をあけてほしいと思っているのに気付きながらも誰にも言わなかった

携帯の通知に望むものがないか見てしまう
ときたま欲しがるものが手に入って喜んだり、でも泳がせたり、楽しんだり、タイミングが悪くて機嫌が悪くなったりする
よろこびは大きい
ノックをされるたびに思う

しかし最近斜め上のことをされる
廊下でノックもせず挨拶をされる
驚いて向き直り、返事をする

動揺することが嫌いなのでどんなことが起きるか考えておくたちではあるが、日常に溶け込んだことには頭を向けたことはなかった

よもや頭をまわしすぎて空気のように貪ってた音楽すら耳障りだと思う日がこようとは
女の高い声が頭を揺さぶる
でも心が癒しを求めていて聞かざるをえない


わたしは消えたい
消えたいが幸せだ
客観的に見るとそうだ
わたしはワガママなのだ
でもワガママが人として確立させるひとつの要因だと逃げる
わたしは認められたい
しかし理解されるはずがない
理解される訳ない